顔料仕上げと染料仕上げの違い

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革の仕上げは、皮革を製造する最終工程で、

製品で要望される外観・性質に合わせて

革に加工を施す工程です。

 

仕上げにはバフィングによる起毛から、着色、塗装、

グレージング、アイロンがけ、型押しなど

様々な作業が含まれますが、ここでは特に

着色、塗装の仕上げ加工ついて記載します。

 

革への着色・塗装には主に2つの方法があり

・【染料】による加工

・【顔料】による加工

の2種類があります。

この2つの違いを特に記載します。

 

ちなみに、染料や顔料だけでなく、

仕上げ工程を行っていない、

できたままの皮革は【素上げ】と呼ばれます。


 

【顔料仕上げ】

顔料仕上げとは合成樹脂の仕上げ剤を含む

塗料液で革を仕上げる方法です。

 

革をコーティングするように表面に塗布することで、

銀面(革の表面)の傷を隠し、均一な着色ができるので、

仕上げに広く用いられています。

 

分かりやすく図で表すと以下のようになります。

顔料仕上げの以下のような特徴があります。

・多少のキズや汚れなど、表面の欠陥を隠すことができる

・着色が均一で、また冴えやツヤのある色を表現できる

・耐光性、耐熱性で染料仕上げに劣る

・俗に言う革らしい風合いが損なわれ、経年変化も少ない


 

【染料仕上げ】

アニリンを使用することがほとんどのため、

アニリン仕上げとも呼ばれる仕上げ手法です。

染料は水などに溶け、かつ、

革と結合剤なしで結合する性質があります。

 

文字通り、革を染める仕上げ方法となります。

こちらも分かりやすく図示すると以下の通りです。

染料仕上げの特徴は

・俗に言う革らしい風合いが多く、経年変化も楽しめる

・革本来の表情が活かされるがゆえ、キズや汚れ、シワも多い

・黒や茶などの色が多く、鮮やかな色を表現しにくい

・水に弱く、変色や染料が溶け出すことがある


 

まとめると、

色鮮やかでキズなども少ないのが顔料仕上げ

革らしい風合いがあるのが染料仕上げ

ということになります。

 

もちろんこれは一概にどちらが良いというわけではなく、

使用者の好みや、用途に応じて変わっていくものです。

 

例えば、

一般的に革好き、という方々に訊くと、

やはり革の風合いがあり、本革らしい経年変化も楽しめるということで、

染料仕上げの製品を好む方が多いです。

 

一方で、デザインに富んだ製品を多く作り、

また、均一な品質が求められる高級ブランド等は、

ほとんどの本革製品が顔料仕上げになっています。

 

動物から採れる副産物である以上、

均一な品質で革らしい風合いの製品づくりは、

大変に難易度の高いことです。

(もちろん私たちもできるだけ取り組んでいますが。。。)


 

この二つの方法を応用した、

染料(アニリン)と顔料を混ぜ、

両方の中間の性質を持つ仕上げとして、

セミアニリン仕上げもあります。


 

最後に、色付けなど仕上げを行っていない、

【素上げ】の革について少しだけ。

 

革としての特徴は、染料仕上げとほぼ同じです。

ただ、革本来の色味のため、

そのほとんどがベージュからブラウンにかけての色味となります。

 

引っかき傷や水など、外的要因に大変弱く、

ある意味、傷つけながら育てていく革と言えます。

 

でも、革好きな方の中には、

それが革を育てているという実感になり、

自分だけの表情に変わっていくことを楽しむ方もたくさんおられます。

 

 

ぜひ、これから革製品をお選びになる際は、

染色の方法だけでも、大きく性質や見た目も異なりますので、

気にして製品選びをして頂ければと思います。

そうして、もっと革製品に愛着が湧けば幸いです。

 

本記事に関する内容はもちろん、

その他革製品に関するご質問・ご要望がございましたら、

お気軽に弊社までご連絡くださいませ。

 

Tel:06-6720-1522

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