梅雨の季節になり、雨の日が多くなりました。
この時期に避けては通れない、革のトラブル。
それが画像にもある水濡れによるシミです。
対処を間違うと革が劣化したり、硬くなってしまったり、
染みの跡が取れなくなってしまったり。。。
でも、適切な対処を知っていれば、
水シミはほとんど元通りに戻せます!
今、革製品を水に濡らしてしまって、
対策を調べてこのブログに辿り着いた方も、
まずは落ち着いて下さい。心配ありません。
焦らず、適切な対処をすれば全く問題ありません。
レザーケア方法を見やすくするために、
今回は実際に、染色の無いヌメ革を用意しました。
【ヌメ革】
ベジタブルタンニンでなめしを行い、
革の性質をより残した革になります。
特に今回のような染色をしていない革は
水や熱に大変弱く、キズも付きやすい革になります。
実際に水に濡らした直後が右側の画像になります。
水が染み込みだしているのが分かります。
まず、乾いた布でできるだけ水分を取ってあげます。
ここでどれだけ水分を取れるかが、一番重要です。
水分の取りやすさは濡れてからの時間や、
革の性質によります。
例えば、顔料仕上げの皮革等であれば、
今回の画像ほど革に水が染み込むこともなく、
ほとんどが革に浮いた状態になっていると思います。
※乾かすためのドライヤーの使用は控えて下さい
皮革は熱に弱く、水分による劣化やシミよりも、
ドライヤーの熱によって、より大きな被害が出てしまいます。
どうしてもという場合は、冷風で使用しましょう。
乾拭きで水分の大半が取れた場合は、
この工程は不要です。
そのまま風通しの良い場所で乾かして下さい。
今回のヌメ革のように、
革の中まで水分が染み込んでしまっていた場合、
そのままの状態で放っておくと、
水分で革が硬くなってしまいます。
その場合は革用のクリームなどを用いて、
革に油分を加え、硬化を防ぎます。
革用のクリームなんて持って無いよ!
という方は、あまりオススメしませんが、
ハンドクリーム等でも代用が可能です。
が、もちろん革用のクリームではないため、
逆に油シミになってしまう事があります。
極々少量づつ使用し、シミにならぬように
気をつけて使用して下さい。
多少の劣化は仕方ないけど、
シミだけは目立たなくしたい!
という場合には、キツく絞った布巾(ふきん)で
水シミを伸ばしてあげるのも有用です。
周囲と馴染ませることで、見た目を補修可能です。
革用クリームはこのように
トラブル時のレザーケアに使用できるだけでなく、
油分により表面に膜を貼ることで水を弾くなど、
レザートラブルの予防にもなります。
備えあれば憂いなし、という方には、
革用のクリーム購入をオススメ致します。
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ここまでの工程で
できるだけ水分を取ってあげた状態が
上の画像の状態です。
濃い水シミは取れたものの、
濡れた跡がまだ残ってしまっています。
・・・でも大丈夫です。
あとは風通しの良い場所で陰干しすれば、
ほとんど元通りになります!
陰干ししている写真を撮ろうとしましたが、
あまりうまく撮ることができず四苦八苦していると、
デザイナーが書いてくれました。
※風通しの良い場所に置いて下さい。
水分が残ると革にダメージが残るため、
風通しが大事です。
※直射日光に当てず、陰干しして下さい。
革が熱に弱いことは前述した通りですが、
紫外線で革が日焼けしてしまう恐れがあります。
画像のように陰干しがオススメです。
半日間風通しの良い場所で陰干ししました。
どうでしょうか。
よく見るとうっすらと水の跡がありますが、
ほとんど元の状態に戻りました。
(クリックで拡大表示)
ヌメ革は水やキズに弱いですが、
使用による経年変化(エイジング)も大きいため、
この程度の汚れは、使用していくにつれ
目立たなく、見えなくなっていきます。
今回は特に水分に対するレザーケアをご紹介しました。
1.できるだけ早く、できるだけ水分を取る
2.風通しの良い場所で陰干し
この2点を覚えておいて、
良い革製品をできるだけ永く愛用してくださいね。
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